私にワルイコトを教えたのは政略結婚の旦那様でした
今日の私の服はもちろん、ハイブランドのお嬢様ワンピースだ。
ごく普通の洋服なんてあの日、炯さんに買ってもらったものしかない。
「そうですね」
私も苦笑いで、一緒に入っている店を見て回る。
「こう、ああいう肩が出ている、オフショルダーってどうですか?」
父などは「最近の子はああいう、肩がずり落ちたような服を着てみっともない」
などと渋ーい顔をしていたが、炯さんとしてはどうなのか気になった。
しかし。
「どうして俺に聞くんだ?
凛音が着たいなら着ればいいだろ」
「……ハイ?」
想定外の答えが返ってきて、首が斜めに傾く。
「俺の意見なんて気にしなくていいんだ。
凛音が着たいものを、好きに着ればいい」
「そう、ですね」
今まで私はずっと、こんな服を着たらお父様に嫌な顔をされるとか、家にふさわしくないとかいうことしか考えずに選んできた。
ごく普通の洋服なんてあの日、炯さんに買ってもらったものしかない。
「そうですね」
私も苦笑いで、一緒に入っている店を見て回る。
「こう、ああいう肩が出ている、オフショルダーってどうですか?」
父などは「最近の子はああいう、肩がずり落ちたような服を着てみっともない」
などと渋ーい顔をしていたが、炯さんとしてはどうなのか気になった。
しかし。
「どうして俺に聞くんだ?
凛音が着たいなら着ればいいだろ」
「……ハイ?」
想定外の答えが返ってきて、首が斜めに傾く。
「俺の意見なんて気にしなくていいんだ。
凛音が着たいものを、好きに着ればいい」
「そう、ですね」
今まで私はずっと、こんな服を着たらお父様に嫌な顔をされるとか、家にふさわしくないとかいうことしか考えずに選んできた。