私にワルイコトを教えたのは政略結婚の旦那様でした
前回は一式お買い上げしたのもあって、お店の試着室で着替えさせてもらった。
でも今日はもうすでに、買ったショップを出ている。
「いったん、マンションに行く」
「いいんですか?」
それは安心して着替えられそうだけれど、そんな手間をかけさせていいのか気になった。
「明日は休みだし、遅くなってもかまわない。
それに凛音をそのへんのトイレで着替えさせるとか、危険なことできないからな」
「トイレで……着替える?」
炯さんはうんうんと頷いているが、私にとって謎シチュエーションが出てきて頭の中ははてなマークでいっぱいだった。
「着替えスペースがあるトイレとかもあるんだよ。
でも、公共のトイレに行かせるだけでも不安なのに、着替えまではな……」
眼鏡の下で、彼の眉間に深ーい皺が刻まれる。
「でも、トイレって女性だけですし……」
そんなに嫌がるほど、危険なんてないと思うんだけどな。
「バカ。
隙を狙って何食わぬ顔で入ってくるヤツもいるし、そのまま隠れているヤツもいる。
盗撮カメラが仕掛けられていたりする場合もあるしな」
炯さんはどこまでも真剣で、少しも冗談を言っている様子はない。
でも今日はもうすでに、買ったショップを出ている。
「いったん、マンションに行く」
「いいんですか?」
それは安心して着替えられそうだけれど、そんな手間をかけさせていいのか気になった。
「明日は休みだし、遅くなってもかまわない。
それに凛音をそのへんのトイレで着替えさせるとか、危険なことできないからな」
「トイレで……着替える?」
炯さんはうんうんと頷いているが、私にとって謎シチュエーションが出てきて頭の中ははてなマークでいっぱいだった。
「着替えスペースがあるトイレとかもあるんだよ。
でも、公共のトイレに行かせるだけでも不安なのに、着替えまではな……」
眼鏡の下で、彼の眉間に深ーい皺が刻まれる。
「でも、トイレって女性だけですし……」
そんなに嫌がるほど、危険なんてないと思うんだけどな。
「バカ。
隙を狙って何食わぬ顔で入ってくるヤツもいるし、そのまま隠れているヤツもいる。
盗撮カメラが仕掛けられていたりする場合もあるしな」
炯さんはどこまでも真剣で、少しも冗談を言っている様子はない。