【短】made by……



「こうしていると、まるで子どもの頃に戻ったような気分になりませんか?」


「っ……昔とは違う。知ってるんだろう、僕が君に今でもそういう気持ちがあるってこと」



 顔を赤くしたまま、充希はふいと目を逸らす。リミに握られたままの手は、わずかに震えていた。



「フラれた後、君が罪悪感からメイドを辞めてこの家を出て行くなんて言い出さないように、必死に吹っ切れているふりをしようとしたよ。僕が女の子と遊んでばっかの軽い男になれば、そんな罪悪感覚えなくて済むだろうし、僕自身もそのうちリミへの気持ちが無くなるかもって思った」


「そんなこと考えてらしたんですか?」


「でもだめだったんだよ。誰と一緒にいても、いつの間にか『リミだったらこういう反応するんだろうな』って考えてる」



 充希は苦しそうに唇を噛み、その手を恐る恐るといった様子でリミの背中に回した。



「やっぱり、どうしたって僕はリミが好きなんだ。同じ気持ちを返してくれなんて言わないから、ただ、一緒にいて欲しい。……そんなわがままは、許してもらえない?」



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