【短】made by……
そういえば。リミは自分の頬をきゅっと軽く持ち上げる。
なんだか心が満たされて、自然と表情筋が緩んだらしい。
「へえ、でもそうだったのか」
「何ですかニヤニヤして」
「いや。リミ、最近は昔以上に無表情になったように思ったけど、まさか嫉妬してるのを隠してたとはね」
「なっ……。そういう充希様こそ、色んな女性に手を出していたのは、私に罪悪感を抱かせずかつ私を諦めるため? やることが不器用すぎるでしょう」
「何とでも言ってくれ。今すごく機嫌が良いから」
遊び人の充希と表情のないリミ。
どうやらそれは、お互いによって無意識のうちに作られたものだったらしい。
どちらも良い影響とは言い難いけれど、それでもリミはこそばゆいような気持ちだった。