【短】made by……



 緊張。そう言った充希はどこか悔しそうで、少しだけ可愛いと思った。

 だけどそう思ったのと同時に、柔らかく唇がふさがれてそんなことは考えられなくなる。唇にこんな甘い感触を与えられて、他のことを考えられる方がおかしい。

 やがて唇が離れると、一気に寂しさが襲ってきた。



「はあああああああ……」




 充希はリミを抱きしめながら盛大なため息を吐く。




「まずいな、幸せすぎる。でも全然足りない……」


「……もう一回ぐらいなら……いいですよ?」


「……」




 恥ずかしいながらも勇気を出してそう言えば、充希はピタリと固まってしまった。

 がっついて引かれたのだろうか。リミは恐る恐る充希の顔をのぞきこむ。




「あの?」


「いや、今なんかこう、だいぶムラっと……ねえ、やっぱり部屋に来ない?」


「っ!? 行きません! やっぱりもうおしまいです!ほら、 仕事の邪魔なのでご自分のお部屋に帰ってください。もちろんお一人で!」


「ええっ、ごめんごめん! 今のは冗談だからお願いリミ、怒らないで」




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