一人よがりの少女「自分の思いを一方的に喋っている女の子の話です」
一人よがりの少女
一人よがりの少女
ある初冬の日のことである。
私は、横浜市立中央図書館に、行って、勉強した。
そして、閉館の5時に、図書館を出た。
私は、アイスティーが、飲みたくなって、近くの、マクドナルドに入った。
私は、アイスティーを、持って、二階の客席に、上がって、座った。
そして、アイスティーを、啜り出した。
二階の客席は、すいていた。
しかし、窓際の席に、一組の、女子高生と、男子高生、が、向き合って、座っていた。
客は、その二人と、私だけだった。
女子高生と、男子高生、は、彼氏彼女の仲なのだろう、仲が、良さそうで、さかんに、話していた。
二人の会話が、私の耳に入ってきた。
私は、二人の会話に耳を傾けた。
どうやら、彼女は、アイドル志望で、芸能プロダクションの、オーディションを、受けたのに、落ちてしまったらしい。
彼女は、さかんに、AKB48の、悪口を言っていた。
「高橋みなみ、なんて、大したことないじゃない。そもそも、AKB48なんて、いい加減なものよ。一人で、芸能プロダクションに、応募して、認められたんじゃ、ないわ。大勢、いるから、一人か、二人、ブスが、混じっていても、わからないじゃない。ねえ。そうでしょ」
そう言って、少女は、チキンマックナゲットを、ちぎって、バーベキューソースをつけて、男の子の口に、入れた。
「スマップにしたって、そうじゃない。あの中で、格好いいのは、木村拓哉だけじゃない。他の、稲垣吾郎、香取慎吾、中居正広、草彅剛、なんて、たいしたことないじゃない」
そう言って、少女は、チキンマックナゲットを、ちぎって、バーベキューソースをつけて、男の子の口に、入れた。
「草彅剛、なんて、たいしたことないじゃない。あれが、人気があるのは、スマップの一員だから、という理由だけじゃない。もし、草彅剛、が、一人で、芸能プロダクションに、応募したら、プロダクションは、採用したと思う?採用なんて、しっこないわ。自分の実力で、タレントになったんじゃ、ないわ」
そう言って、少女は、チキンマックナゲットを、ちぎって、バーベキューソースをつけて、男の子の口に、入れた。
「AKB48だって、そうだわ。AKB48なんて、あんな大多数のグループが、今までに無かったから、受けたのに、過ぎないじゃない。で、AKB48が、人気が出たから、グルーブに属する、一人一人、が、アイドルになれた、だけのことじゃない」
そう言って、少女は、チキンマックナゲットを、ちぎって、男の子の口に、入れた。
男の子は、ニコニコ、笑顔で、少女の、発言に、自分の意見を言う、ということは、せず、黙って、少女の話を聞いていた。
また、少女も、うつむいたまま、顔を上げず、一人で話していた。
少女は、男の子を、話し相手とは、思っておらず、自分の思いを、誰かに話したくて、一方的に、男の子に、話しているのに過ぎない。
だから、別に、少女の、お喋りの、聞き手は、仲のいい、彼でなくても、誰でも、よかったのである。
こういう女は、結構、いるものである。
私は、彼女の、一人よがりさ、が、何とも、面白く、二人の会話を、黙って聞いていた。
その時である。
外で、大きな声がした。
警察のアナウンスだった。
「こちらは、横浜中区警察署です。今、アフリカから、上野動物園に、輸送中の、ゴリラが、車のカギを壊して、脱走しました。凶暴な肉食の人食いゴリラです。この近辺にいると、推測されます。大変、凶暴です。危険ですので、住民のみなさんは、外を出歩かないようにして下さい。そして、ゴリラを見かけた方は、すぐに、警察に通報して下さい」
私は、(ふーん。ゴリラが、街中をうろついているのか)、と、思ったが、私は、自分とは、関係のない、他人事だと、思って、気にかけなかった。
それより、私は、少女の話の方に、関心があった。
「あーあ。私も、芸能プロダクションじゃなくて、AKB48のオーディションを、受ければよかったな。そうすれば、私なら、間違いなく、受かったのに」
そう言って、少女は、チキンマックナゲットを、ちぎって、バーベキューソースをつけて、男の子の口に、入れた。
男の子は、ニコニコ、笑顔で、少女の、発言に、自分の意見を言う、ということは、せず、黙って、少女の話を聞いていた。
その時である。
私は、吃驚した。
なぜなら、大きなゴリラが、マクドナルドの二階に上がってきたからである。
私は、腰が抜けてしまって、動くことが出来なかった。
男の子は、ゴリラに、気づくと、出来るだけ、物音を立てないように、注意しながら、そっと、席を立って、抜き足差し足で、二階のマクドナルドから、出て行った。
ゴリラは、少女の、席に、向き合って、座った。
ハーハー、鼻息を荒くしている。
しかし、少女は、うつむいて、独り言の愚痴を、話そうとしているので、目の前の、ゴリラに、気づいていない。
「あーあ。AKB48の、オーディションを、受けていれば、私は、受かったのに。もう、募集、締め切りになっちゃった、から、出来ないわ。ねえ。私が、AKB48の、オーディションを、受けていれば、受かったのに」
そう言って、少女は、顔を上げ、チキンマックナゲットをちぎって、バーベキューソースをつけて、ゴリラの口に入れた。
「そうすれば、私は、アイドルになれたのよ。ねえ。あなたも、そう思うでしょ」
そう言って、少女は、チキンマックナゲットをちぎって、バーベキューソースをつけて、ゴリラの口に入れた。
少女は、自分の愚痴を言うことに、関心の全て、が行っているので、目の前に、ゴリラがいる、ということも、ゴリラを、見ていながらも、気づいていなかった。
その時である。
警察官と、機動隊の数人が、そーと、マクドナルドの、二階に、上がって来た。
警察官と、機動隊は、口に、人差し指を立て、「しー」、と、ゴリラを刺激しないように、ゴリラを捕獲しようとした。
「麻酔銃を打とうか?」
「いや。それは、危険だ。ゴリラを刺激する」
「少女の命が危ない。しかし、どうして、あの少女は、逃げようとしないのだろう?」
「きっと、恐怖のあまり、足が竦んでしまっているのだろう」
「少女は何か、ブツブツ独り言、を言っているようだが、なぜだろう?」
「きっと、少女は、もうダメだと、思って、神に、祈っているのだろう」
「では、仕方がない。ゴリラを、機関銃で、射殺するしか、他に、方法がないな」
「よし。それで決まりだ。では、私が合図するから、みな、ゴリラの頭を狙って、一斉に、撃て」
そう言って、機動隊員たちが、機関銃を、ゴリラの頭に向けた時である。
「あなた。さっきから、黙ってばかりで、少しは、相槌を打つなり、自分の意見を言うなりしなさいよ。高橋みなみ、と、私と、一人の女として、どっちが、魅力的だと思うの?あなただって、イケメンだから、草彅剛、とたいして変わりないから、ちゃっかり、スマップに入れるわよ」
そう言って、少女は、怒って、顔を上げ、チキンマックナゲットをちぎって、バーベキューソースをつけて、ゴリラの口に入れた。
しかし、もちろん、ゴリラは、人語なと、わからないし、話せない。
「もう。いいわ。私、帰る」
そう言って、少女は、立ち上がって、スポーツバッグを、肩にかけ、スタスタと、その場を離れ、マクドナルドから、出て行った。
「しめた。少女が去った。もう、少女の身は、安全だ。あとは、どうやって、ゴリラを捕獲するかだ」
機動隊員の一人が言った。
その時である。
ゴリラは、立ち上がって、おとなしく、マクドナルドの二階席から、一階へ降りた。
「しめた。どういう気まぐれ、かは、わからないが、ゴリラが、外へ出てくれた。こうなれば、安全に、捕獲することは、容易だ」
機動隊員の一人が言った。
警察官と、機動隊員は、ゴリラが、マクドナルドの二階席から、出て行ったのを、後から追った。
そして、私も、マクドナルドの二階席を降りた。
警察官と、機動隊、は、何とか、ゴリラが、暴れないように、捕まえようと、輸送車の、観音開きの、戸を開けて、待機していた。
しかし、ゴリラは、自分から、輸送車に、乗り込んだ。
こうして、ゴリラは、無事に捕獲されて、上野動物園に、送られた。
ある初冬の日のことである。
私は、横浜市立中央図書館に、行って、勉強した。
そして、閉館の5時に、図書館を出た。
私は、アイスティーが、飲みたくなって、近くの、マクドナルドに入った。
私は、アイスティーを、持って、二階の客席に、上がって、座った。
そして、アイスティーを、啜り出した。
二階の客席は、すいていた。
しかし、窓際の席に、一組の、女子高生と、男子高生、が、向き合って、座っていた。
客は、その二人と、私だけだった。
女子高生と、男子高生、は、彼氏彼女の仲なのだろう、仲が、良さそうで、さかんに、話していた。
二人の会話が、私の耳に入ってきた。
私は、二人の会話に耳を傾けた。
どうやら、彼女は、アイドル志望で、芸能プロダクションの、オーディションを、受けたのに、落ちてしまったらしい。
彼女は、さかんに、AKB48の、悪口を言っていた。
「高橋みなみ、なんて、大したことないじゃない。そもそも、AKB48なんて、いい加減なものよ。一人で、芸能プロダクションに、応募して、認められたんじゃ、ないわ。大勢、いるから、一人か、二人、ブスが、混じっていても、わからないじゃない。ねえ。そうでしょ」
そう言って、少女は、チキンマックナゲットを、ちぎって、バーベキューソースをつけて、男の子の口に、入れた。
「スマップにしたって、そうじゃない。あの中で、格好いいのは、木村拓哉だけじゃない。他の、稲垣吾郎、香取慎吾、中居正広、草彅剛、なんて、たいしたことないじゃない」
そう言って、少女は、チキンマックナゲットを、ちぎって、バーベキューソースをつけて、男の子の口に、入れた。
「草彅剛、なんて、たいしたことないじゃない。あれが、人気があるのは、スマップの一員だから、という理由だけじゃない。もし、草彅剛、が、一人で、芸能プロダクションに、応募したら、プロダクションは、採用したと思う?採用なんて、しっこないわ。自分の実力で、タレントになったんじゃ、ないわ」
そう言って、少女は、チキンマックナゲットを、ちぎって、バーベキューソースをつけて、男の子の口に、入れた。
「AKB48だって、そうだわ。AKB48なんて、あんな大多数のグループが、今までに無かったから、受けたのに、過ぎないじゃない。で、AKB48が、人気が出たから、グルーブに属する、一人一人、が、アイドルになれた、だけのことじゃない」
そう言って、少女は、チキンマックナゲットを、ちぎって、男の子の口に、入れた。
男の子は、ニコニコ、笑顔で、少女の、発言に、自分の意見を言う、ということは、せず、黙って、少女の話を聞いていた。
また、少女も、うつむいたまま、顔を上げず、一人で話していた。
少女は、男の子を、話し相手とは、思っておらず、自分の思いを、誰かに話したくて、一方的に、男の子に、話しているのに過ぎない。
だから、別に、少女の、お喋りの、聞き手は、仲のいい、彼でなくても、誰でも、よかったのである。
こういう女は、結構、いるものである。
私は、彼女の、一人よがりさ、が、何とも、面白く、二人の会話を、黙って聞いていた。
その時である。
外で、大きな声がした。
警察のアナウンスだった。
「こちらは、横浜中区警察署です。今、アフリカから、上野動物園に、輸送中の、ゴリラが、車のカギを壊して、脱走しました。凶暴な肉食の人食いゴリラです。この近辺にいると、推測されます。大変、凶暴です。危険ですので、住民のみなさんは、外を出歩かないようにして下さい。そして、ゴリラを見かけた方は、すぐに、警察に通報して下さい」
私は、(ふーん。ゴリラが、街中をうろついているのか)、と、思ったが、私は、自分とは、関係のない、他人事だと、思って、気にかけなかった。
それより、私は、少女の話の方に、関心があった。
「あーあ。私も、芸能プロダクションじゃなくて、AKB48のオーディションを、受ければよかったな。そうすれば、私なら、間違いなく、受かったのに」
そう言って、少女は、チキンマックナゲットを、ちぎって、バーベキューソースをつけて、男の子の口に、入れた。
男の子は、ニコニコ、笑顔で、少女の、発言に、自分の意見を言う、ということは、せず、黙って、少女の話を聞いていた。
その時である。
私は、吃驚した。
なぜなら、大きなゴリラが、マクドナルドの二階に上がってきたからである。
私は、腰が抜けてしまって、動くことが出来なかった。
男の子は、ゴリラに、気づくと、出来るだけ、物音を立てないように、注意しながら、そっと、席を立って、抜き足差し足で、二階のマクドナルドから、出て行った。
ゴリラは、少女の、席に、向き合って、座った。
ハーハー、鼻息を荒くしている。
しかし、少女は、うつむいて、独り言の愚痴を、話そうとしているので、目の前の、ゴリラに、気づいていない。
「あーあ。AKB48の、オーディションを、受けていれば、私は、受かったのに。もう、募集、締め切りになっちゃった、から、出来ないわ。ねえ。私が、AKB48の、オーディションを、受けていれば、受かったのに」
そう言って、少女は、顔を上げ、チキンマックナゲットをちぎって、バーベキューソースをつけて、ゴリラの口に入れた。
「そうすれば、私は、アイドルになれたのよ。ねえ。あなたも、そう思うでしょ」
そう言って、少女は、チキンマックナゲットをちぎって、バーベキューソースをつけて、ゴリラの口に入れた。
少女は、自分の愚痴を言うことに、関心の全て、が行っているので、目の前に、ゴリラがいる、ということも、ゴリラを、見ていながらも、気づいていなかった。
その時である。
警察官と、機動隊の数人が、そーと、マクドナルドの、二階に、上がって来た。
警察官と、機動隊は、口に、人差し指を立て、「しー」、と、ゴリラを刺激しないように、ゴリラを捕獲しようとした。
「麻酔銃を打とうか?」
「いや。それは、危険だ。ゴリラを刺激する」
「少女の命が危ない。しかし、どうして、あの少女は、逃げようとしないのだろう?」
「きっと、恐怖のあまり、足が竦んでしまっているのだろう」
「少女は何か、ブツブツ独り言、を言っているようだが、なぜだろう?」
「きっと、少女は、もうダメだと、思って、神に、祈っているのだろう」
「では、仕方がない。ゴリラを、機関銃で、射殺するしか、他に、方法がないな」
「よし。それで決まりだ。では、私が合図するから、みな、ゴリラの頭を狙って、一斉に、撃て」
そう言って、機動隊員たちが、機関銃を、ゴリラの頭に向けた時である。
「あなた。さっきから、黙ってばかりで、少しは、相槌を打つなり、自分の意見を言うなりしなさいよ。高橋みなみ、と、私と、一人の女として、どっちが、魅力的だと思うの?あなただって、イケメンだから、草彅剛、とたいして変わりないから、ちゃっかり、スマップに入れるわよ」
そう言って、少女は、怒って、顔を上げ、チキンマックナゲットをちぎって、バーベキューソースをつけて、ゴリラの口に入れた。
しかし、もちろん、ゴリラは、人語なと、わからないし、話せない。
「もう。いいわ。私、帰る」
そう言って、少女は、立ち上がって、スポーツバッグを、肩にかけ、スタスタと、その場を離れ、マクドナルドから、出て行った。
「しめた。少女が去った。もう、少女の身は、安全だ。あとは、どうやって、ゴリラを捕獲するかだ」
機動隊員の一人が言った。
その時である。
ゴリラは、立ち上がって、おとなしく、マクドナルドの二階席から、一階へ降りた。
「しめた。どういう気まぐれ、かは、わからないが、ゴリラが、外へ出てくれた。こうなれば、安全に、捕獲することは、容易だ」
機動隊員の一人が言った。
警察官と、機動隊員は、ゴリラが、マクドナルドの二階席から、出て行ったのを、後から追った。
そして、私も、マクドナルドの二階席を降りた。
警察官と、機動隊、は、何とか、ゴリラが、暴れないように、捕まえようと、輸送車の、観音開きの、戸を開けて、待機していた。
しかし、ゴリラは、自分から、輸送車に、乗り込んだ。
こうして、ゴリラは、無事に捕獲されて、上野動物園に、送られた。
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