恋はしょうがない。〜同僚以上、恋人未満〜
「…………」
医師も塩尻も、この古庄がそんな質問をするとは思っていなかったようで、目を丸くしてしばし止まってしまう。
「え?支障があるんですか?」
そんな不安に駆られてしまうほど、古庄にとってギックリ腰の衝撃は痛烈だった。
「古庄先生がいくらモテるとはいえ、さすがに今日するのはダメですよ。たとえ古庄先生が下でも、今日は動かしちゃダメです」
医師より先に、塩尻がかなり際どいアドバイスをしてくれる。その気になれば相手に困らないのは事実かもしれないが、そんな分別なくヤリたがってると認識されるのは、ちょっと心外だった。
すると、医師が塩尻の言葉に付け足した。
「きちんと治してたら後々に支障はないですよ。そのためにも痛みがある間は、セックスはしないようにしてくださいね」
古庄は、自分がソレしか頭にない女たらしのように言われてる気がして反論したくなったが、とりあえず心配はないようなので、我慢をして頷いた。
「ありがとうございます。安心しました」
何に対して安心したのか。塩尻が絶対に誤解しているのは、そのニヤニヤしている顔つきを見たら聞かなくても分かってしまう。