クリスマスのあの日私はあなたに出会えて良かった
「そういえば私に聞きたいことがあったんじゃなかったっけ?」
「あ!そうだった!」
「なに?」
「絵理奈ちゃんって俺たちと一緒で城山高校でしょ?」
「そうだけど...それがどうしたの?」
「ほんとにそう?」
「え?!なんで?」
「だって俺絵理奈ちゃん校内で見かけたことないから。」
「ほんとだよ?私あんまり教室から出ないんだ。」
「なんで?」
「用事ないし、そもそも私友達...」
私はそこまで言ってやめた。別に友達がいない訳でもない。なんなら属に言う一群女子の中にいる。
でも、私は両親をなくしてから一定の距離を取るようになった。
誰かを失うことが怖くて。だからいつも、いつだってみんなといたってどこか孤独を感じていたんだ。
「どうしました?」
「ううんなんでもないの。ただ、用事もなく校内をうろつくのがあんまり好きじゃないだけだよ。」
私は今できる精一杯の笑顔を海斗くんに向けた。
「そっか!ごめんね?変なこと言って!」
「大丈夫だよ。」
「今度さ、校内で見かけたらさ、声掻けて良い?」
「良いよ。」
「わかった!あ!着いたね!」
「うん。海斗くん。ここまで送ってくれてありがとう。」
「全然!また話そうね?」
「うん。気をつけて帰ってね?」
「うん!またねぇ〜」
海斗くんはそう言いながら手を振りながら帰って行った。