クリスマスのあの日私はあなたに出会えて良かった
「絵理奈?」

家の近くに着いた頃、突然前からこちらに向かって歩いて来ている人に名前を呼ばれたが、暗くて見えなかった。

「あなた誰ですか?」

先に口を開いたのは一希くんだった。

「え?あなたこそ誰?」

(ん?てかさっきからこの声聞いたことある気がする!私の名前呼んでたし!あ!)

「あ!もしかしてかのか!?」

「やっぱり絵理奈だよね?」

「やっぱり...かのかじゃん!どうしたの?」

「え?待て待て!この人知り合いなのか?」

「私の同居人のかのか。」

「こんばんは。さっきは急に話し掛けてごめんね。私は絵理奈の同居人の関根かのか(せきねかのか)です。」

かのかは一希くんに向かって軽く頭を下げた。

「こ、こちらこそ!先ほどは失礼な態度をとってしまってすみませんでした。俺、絵理奈さんと同じ高校とバイト先に通ってます。豊田一希と言います。」

一希くんはそう言ってかのかに深々と頭を下げた。
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