クリスマスのあの日私はあなたに出会えて良かった
「お待たせしました。コーヒーになります。お好みでミルクやシロップを入れてください。では、ごゆっくりどうぞ。」

「あ、あの!」

「はい?」

「高校生ですか?」

「え?」

「すみません!いきなり!」

「あ、全然大丈夫です。」

「えーと...」

「あ!私は高校生ですよ。」

「そうなんですね。ちなみにどこ高校か聞いても良いですか?」

「はい。私は城山(しろやま)高校です。」

「え?!そうなんですか?!俺も同じです。」

そう言って彼はまた私に笑った。

「そ、そうなんですね、何年生なんですか?」

「1年です。」

「え?!1年生なんですか?てっきり2年か3年だと思ってました。あまりにも大人っぽいから」

「ありがとうございます。あなたは?」

「私は3年です」

「そうなんですね。あ、あの、お名前聞いても...?」

「あ!私、佐々木です。佐々木絵理奈(ささきえりな)です。」

「絵理奈さんですね!覚えました!」

そう言って今日2回目の笑顔を私に向けてきた。

「あ、あのあなたは?」

「俺は一希って言います。豊田一希(とよたかずき)です。」

「一希さんですね、覚えておきます。」

「一希で良いですよ。」

「え?じゃ、じゃ一希くんで。」

「はい!」

そう言ってまた笑顔を向けてきた。

私は一希くんの笑顔に鼓動が早くなるのを感じた。

「で、ではそろそろ戻りますね。」

「あ、ひきとめてしまってすみませんでした。」

「いや、全然!ではごゆっくりどうぞ。」









< 4 / 45 >

この作品をシェア

pagetop