学校の中で

アイドル二人組？

『きゃ〜！』

「なになに？！どうしたの？！」

「あ〜、あれね〜。」

　下駄箱の近くまで来ると、段々と騒がしくなってきた。悲鳴まで聞こえる。

　よく見ると、たくさんの女子が男子生徒二人組を囲んでいた。

「誰だろ？あの人達。芸能人か何か？」

「知らないの！？…て無理ないか。最近こっちに来たばかりだものね。」

　そう、何を隠そう、私は美桜と一緒の学校生活を送るためだけに一人暮らしをしているのだ！（おもい）

　もちろん自炊している。

　毎日連絡すること、週一は顔を見せること、料理、洗濯、掃除などの家事をしっかりやることなどの条件を守ることでやっとのことで一人暮らしを許可してもらったのだ。

　幸い家事はお母さんに教えてもらいひと通りやれるし、料理も好きな方だ。

　自分で料理を作ることで普段親がいたありがたみも分かるし、栄養バランスに気をつけつつ自分の食べたいものを作ることができる。メリットしかない。


　私がここまで美桜と一緒の高校に行きたい理由。

　それは、小学生の時に転校してしまった彼女と、また同じ学校に登校したり、一緒に遊びに行ったりしたいから。

　…それと、私が他の人とうまく話せなくて、高校で一人になりそうだったからね汗

「彼らは先輩で、高校二年生。私の通ってた中学の先輩でもあって、学校ですごく人気だったの。」

「ふーん？かっこいいから？」

「当たり前でしょ。」

「あ〜、やっぱり現実のかっこいいかわいいはわからない…」
　
「相変わらずね。」
　
「そうなんだ。」

　私の家では、興味がなかったためあまりアイドルとか出てくる番組を見なかった。そもそもそこまでテレビも見ていないから、アイドルの名前どころか芸能人の名前も、有名な人以外は殆ど知らない。

　そのせいで、現実のかっこいいもかわいいもあまりわからないのだ。漫画とかの絵だったらわかるのに。

「だったら鏡を見てみれば〜？」

「またまた冗談言って〜、私より美桜のほうが可愛いよ！」

　可愛いがわからない、と言っても、周りの評判やうわさ話などは聞こえてくるため、こんな人が可愛いのかな？（悪気ゼロ）というのはなんとなくわかる。

　そのなかでも、周りから聞こえてくる美桜の評判はすさまじかった。

「嘘じゃないって…でもありがとね。ていけない、ほら、早く教室に行く！」

「やばっいこいこ！」