性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。
私の声は聞こえていないのか、そもそも存在すら認識していないのか、私服に着替え始める東雲碧。


「ちょっと!女の子の前で急に服脱がないで!」


「上しか着替えないから別にいいだろ」


「そういう問題じゃないっ」


目の前で堂々と着替えないでよ!


腹筋も背筋もすごいな…とか一瞬思っちゃったじゃん!


最悪!


「八雲(やぐも)さん、なんて言ってた?」


「は、8時半に迎えに来るって」


「そ。てかお前、タコみたいに顔赤い」


「っ!あんたが悪い!」


ふんっ!もう看病してあげないもん!


誰がタコよ!


「……なによ、その目つき…」


目を細めてニヤッと笑う彼は、意地悪な顔つきそのもの。


昨日の可愛かった東雲碧はどこに行ったのよ。


「お前さ、意外と男経験ない?」


「………だ、だったら何よ。悪い?」
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