性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。
昨日の夜、自分の家から持ってきた化粧水などの私物を回収し、鞄に詰める。


「うそ」


「……え?」


嘘?


意地悪〜く口角を上げて、焦って私物回収をしている私を見下ろすクソ性悪野郎。


「俺の彼女は何十万人いるファン全員」


「へ、へ〜?あんた、そんな正統派アイドルみたいなセリフ言えるんだ」


「これでも正統派アイドルで売ってるんで」


こいつのどこが正統派なんだ。


ただ性格の悪い捻くれ者でしょ。


ちょっと甘えん坊で、寂しがり屋な一面もあるけど?


それが可愛かったりするんだけど?


でも!性格は悪いから!


こんなの正統派じゃない。


…って、可愛いこと認めてどうすんだ。


こんなやつ可愛くない可愛くない…。


「なに一人でブツブツ言ってんだよ気持ちわりぃな」


ほーら!可愛くない!


弱った東雲碧を初めて見たから動揺しておかしくなっちゃったんだ、きっとそうに違いない。
< 102 / 168 >

この作品をシェア

pagetop