性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。
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その夜、もう寝ようかと電気を消した瞬間にインターホンが鳴った。
…こんな時間に非常識な。
確認するまでもなくあいつだろうけど、念のためモニターを見ると、予想通りだった。
「こんな時間に何?」
てか、こんな時間まで仕事してたの?
高熱なのに?
マジで死ぬよ。
「これ」
ん、と突き出された紙袋。
有名な洋菓子店の包み紙が見える。
「え、なに?」
「お礼」
え…。
この人、そんなタイプだったの?
お礼に菓子折り持ってくるような丁寧な人間なんだ。
意外すぎる。
「明日から地方ロケでしばらく帰ってこれねーから。こんな時間に悪いな」
「いや…むしろありがとう」
東雲碧からの初めての贈り物かぁ。
もったいなくて食べられないかもしれない。
「……って、今地方ロケって言った?」
「うん」
どんなブラック企業だよ…。