性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。
「碧くんは、もしかしたらのんに気があるのかもしれないよ?」


「はぁぁ!?それはない!!絶対にない!」


アイツに限ってそれはありえない。


「碧くんほどのプロ意識を持った人が、いくら熱に浮かされているとはいえ、女の子を自宅に引き止めたりしないでしょ」


「あいつ、あぁ見えて意外と寂しがり屋なんだよ。だから一緒にいてくれる人なら誰でも良かったんだと思う」


なぜかニヤニヤしている実結。


「“あぁ見えて”“意外と”“寂しがり屋”いいねぇいいねぇ。のんしか知らない碧くんの素顔いっぱいあるじゃん」


「っ!そんなことないから!」


「きっと碧くん、のんになら安心して素顔見せられるんだね」


……なにそれ。


そんなはずない。


アイツは私のことなんか社長の娘程度にしか思ってないはず。


「碧くんの体調が回復したらデート誘ってみなよ。私の勘が正しければ、碧くんは絶対に断らないよ」


「デートぉ!?むりむりむり!!」


デートなんてとんでもない。


アイドルが凡人とデートしてるところを撮られたら大変だ。


日本国民からぶっ叩かれる未来しか見えない。
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