性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。
「碧くんの素顔をよく知らないから憶測だけど、碧くんものんと同じで頑固で気が強いタイプだと思うんだよね。強がりで、自分の素直な感情を認めたがらないというか」


……。
 

一緒にされるのは腹立たしいけど、間違ってはない。


「素直になりな?なんで腹が立ったのか、どうしてほしかったのか、ちゃんと伝えたら分かってもらえるはずだよ」


「……言えないよ。前川さんにムカついてるとか、そんな小さいこと…」


「言い方じゃない?のんは言い方が不器用なところがあるからねぇ…」


「じゃあなんて言えばいいの?」


「んー…、前川さんにしてるみたいに私のことも名前で呼んでほしい、とか。私にだけ素顔見せてくれてるのかと思ってたけど、違ったみたいで少し悲しかった、とか」


「…そんな可愛いこと言えないって」


それこそ、前川さんが言えば可愛いんだろうけど、私が言ったってね…。


笑われて終わるに決まってる。


「私がのんにそんなこと言われたら可愛すぎて心臓止まるかも」


「もう…。何言ってんだか…」


「いや、ホントホント。自信持ちなって」


「持てるわけないじゃん…。だって、毎日かわいい子たちと仕事してるんだよ?」


私なんか足元にも及ばない可愛い子たち。


そんな人たちに囲まれていたら、凡人の顔なんてブスに見えて当たり前だ。
< 146 / 168 >

この作品をシェア

pagetop