性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。
まぁでもどうせ仕事中だろうな。


あの仕事バカは毎日毎日仕事だ。


それでもいいか、と電話をかけてみると、案外すぐに出てくれた。


『なんだよ』


不機嫌そうな顔が目に浮かぶ。


「あんたさ、ムカつくんだよね」


『は?』


「とにかく、ムカつくの。ほんと、嫌い」


…違う。


こんなこと言ってる場合じゃないのに。


ホントは、謝らなきゃいけないことは分かってる。


わかってるけど、上手く言葉にできない。


『そんなこと言うために電話してきたわけ?俺、暇じゃないんだけど』


「あ…いや…」


『だったら何?俺だってお前にムカついてんだけど』


「……」


『都合悪くなったら無視かよ』


「ごめん…」


違う…。


ちゃんと言わなきゃ。


思ってること、ちゃんと伝えなきゃ。


実結が両手でガッツポーズを作り、“がんばれ”と口パクしてくれた。
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