性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。
『うん。じゃあ、何でそういうこと言ったのか教えて?』
優しいトーン。
こんなトーンの声、初めて聞いたかもしれない。
「…嫌いにならないでね、私のこと」
醜い感情を持ってしまった。
前川さんに嫉妬して、彼女のことを嫌いだと感じてしまった。
そんなこと打ち明けたら、碧くんはどう思うだろう。
嫌われちゃったらどうしよう…。
『ならねーよ。だからちゃんと話して』
「うん……。あのね…」
もうこうなったら腹を括ってすべてを話すしかない。
どうなるかなんて考えてられない。
「あの…、私…。前川さんに嫉妬したの」
『…え?』
電話の向こうで戸惑う姿が浮かんだ。
そうだよね、急にそんなこと言われても困るよね…。
「私のことは名前で呼んでくれないのに、前川さんのことは“みるく”って呼んだでしょ?それに、二人距離近いし、仲良さそうだったし…」
『いや―』
「私、碧くんが素顔を見せるのは私だけなんだと勝手に勘違いしててさ。でも、前川さんの前の方が素っぽくて、私、馬鹿だなぁなんて思って。前川さん可愛いし、私なんかじゃ到底敵わないというか、勝負の土俵にも立てないし」
早口で捲し立てて、半分何言ってるか自分でもわからない。
でも、伝えたい。
「そんな前川さんと二人で撮影するところなんて、見たくなかった。だから帰ろうと思ったの。ホントはすごく楽しみにしてたよ。気合い入れて可愛い格好してきたし、メイクも髪型もいつもと変えたんだよ。でも、全然褒めてくれなかったし、文句言ってきたでしょ?なんだか、虚しくなって、もういいって思っちゃった」
時系列はバラバラだし、上手く伝わってる自信はないけど、言いたいことはすべて言えた。
優しいトーン。
こんなトーンの声、初めて聞いたかもしれない。
「…嫌いにならないでね、私のこと」
醜い感情を持ってしまった。
前川さんに嫉妬して、彼女のことを嫌いだと感じてしまった。
そんなこと打ち明けたら、碧くんはどう思うだろう。
嫌われちゃったらどうしよう…。
『ならねーよ。だからちゃんと話して』
「うん……。あのね…」
もうこうなったら腹を括ってすべてを話すしかない。
どうなるかなんて考えてられない。
「あの…、私…。前川さんに嫉妬したの」
『…え?』
電話の向こうで戸惑う姿が浮かんだ。
そうだよね、急にそんなこと言われても困るよね…。
「私のことは名前で呼んでくれないのに、前川さんのことは“みるく”って呼んだでしょ?それに、二人距離近いし、仲良さそうだったし…」
『いや―』
「私、碧くんが素顔を見せるのは私だけなんだと勝手に勘違いしててさ。でも、前川さんの前の方が素っぽくて、私、馬鹿だなぁなんて思って。前川さん可愛いし、私なんかじゃ到底敵わないというか、勝負の土俵にも立てないし」
早口で捲し立てて、半分何言ってるか自分でもわからない。
でも、伝えたい。
「そんな前川さんと二人で撮影するところなんて、見たくなかった。だから帰ろうと思ったの。ホントはすごく楽しみにしてたよ。気合い入れて可愛い格好してきたし、メイクも髪型もいつもと変えたんだよ。でも、全然褒めてくれなかったし、文句言ってきたでしょ?なんだか、虚しくなって、もういいって思っちゃった」
時系列はバラバラだし、上手く伝わってる自信はないけど、言いたいことはすべて言えた。