性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。
「お、おまたせ…」


あまり顔を見られたくなくて、俯きながらドアを開ける。


「今大丈夫?」


「うん、まぁ…。中入る?」


「お前がいいなら」


「うん、いいよ」


ずっと俯いている私を不審に思ったのか、怪訝そうな声で聞いてくる。


「…なにやってんの?」


「あ、いや…。とりあえず、どうぞ…」


「…お邪魔します」


サングラスをとった美しい顔があらわになる。


…ほんと、綺麗な顔…。


それに比べて私のこのドスッピン…。


月とスッポンにもほどがある。


「もう風呂入ったあとだった?」


「あ…うん」


「悪い、そんな時間に」


「ううん。大丈夫だよ」


時間的には大丈夫だけど、気持ち的に不安だ。


ブスって思われるかな…。


「なんで顔見せてくんないの?」


「だって……」


自信ないもん…。


スッピンで会ったことない人にスッピン見せるの、けっこう勇気いるんだよ…?


それも、好きな人に…。
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