性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。
「私のこと、誰にも渡したくないんでしょ?そんなこと言ってたら、他の人と付き合っちゃうかもよ?」


「それは無理。他の男と付き合うぐらいなら俺と付き合って」


即答、かわいい。


ふふっ。


東雲碧がこんなに可愛いの、私しか知らないんだよ。


それだけで十分幸せだよ。


「よろしくねっ碧くん」


ギューッと抱きついて彼を見上げる。


「可愛い」


優しいキスが降ってくる。


「絶対他の男のところには行くなよ。朱沢とか」


「行かないよ。もしかして昨日のこと気にしてたの?」


「…まぁ。けっこームカついてた」


そっかそっか。


可愛いなぁ。


「私のこと好きなんだね」


「うるせーよ」


「えへへ」


東雲碧が、私のこと、好きなんだ。


こんな夢みたいなことあるんだ。


夢…じゃないよね…?


ムニっとほっぺたをつねると、ちゃんと痛い。


「何やってんの?」


「現実かどうか不安になっちゃって」 


「相変わらずバカなんだな」


「うるさい!」


彼女になっても口は悪いままか!


でも、嫌じゃない。


もうムカつかない。


それはきっと、彼が本心で言ってるんじゃないことがわかってるから。


私のことが好きで、からかってるんだろうなって思えるから。


だからこの毒舌も好き。


「碧くん、好きだよ」


ふっと意地悪に口角を上げたかと思えば、キスの嵐が降る。


角度を変えて、何度も何度も。


「俺も好き」
< 158 / 168 >

この作品をシェア

pagetop