性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。
クレムンを解散させたのもパパ、一ノ瀬愁斗を碧くんと共演させることを決めたのもパパ。


パパのせいで碧くんは苦しんでるんだよね…。


「…パパのせいでごめんね」


「はぁ?」


「だって…」


「社長は社長、お前はお前。関係ない」


「でも…」


「でもとかねぇから。お前が謝る必要ない」


怖いくらいに淡々としている。


それが私には感情を抑え込んでいるように見えた。


「パパのこと、どう思ってるの?」


「あの人のおかげで今の俺がある。感謝してるよ」


まるで、能面と会話しているみたい。


碧くんの心の闇に触れた気分…。


「パパが介入しなければ、碧くんたちは解散せずに済んだし、碧くんが誹謗中傷されることもなかったよね。それでも、そう思うの?」


淡々とご飯を食べていた手がピタリと止まった。


「なんでそんなこと聞くんだよ」


目と目が合う。


その目からは何の感情も読み取れなかった。


“無”
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