性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。
「碧くんのことが知りたいから」


だから、パパに対する本心が知りたい。


「希々花は、どういう返答を望んでる?」


「え…?」


「本当に俺の本心、聞きたい?」


碧くんが真っ直ぐに私を見つめる。


同じように見つめ返すことはできなかった。


「この話はやめよう」


ピシャリと言い切られ、それ以上追及することはできなかった。
  

気まずい空気が漂う。
 


「ん。これ、後で食べよ」


碧くんがコンビニの袋から可愛いミニケーキを2つ取り出してテーブルに置いてくれた。


「イチゴとチョコ、どっちがいい?」


片方はあまおうのケーキ、片方はチョコレートのケーキ。


「碧くんは?どっちが好き?」


「俺はどっちも好き。希々花から選んでいいよ」


…なんか、やっぱり…。


付き合い始めてからの碧くんは、出会ったときとは比べ物にならないほど優しい。


まさか、こんな人だったとは思いもしなかった。


「…なに」


「ううん。優しいなぁと思って」


「そりゃ。好きだから」


…っ!?
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