性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。
…って、私ったらなに見とれてんだか。


この野郎は、見た目はイケメンだけど中身はクソ野郎なんだから。


「お前のお手伝いは社長命令らしい。だから連絡先教えろ」


「だからスマホ持ってないんだって」


「チッ。使えねぇな」


「てか、別にいいじゃん。隣なんだから」


「……あーマジで引っ越そうかな」


「追いかけていくから安心して」


「結局ストーカーじゃねぇか」


はっ!私としたことが!


なにが“追いかけていく”よ。


ミスった!


変なこと言うんじゃなかった!


「あ、あのさ、恥を忍んで聞くんだけど」


「なに」


30センチ以上上から冷たい目線を投げかけられて怖いけど、きっとこの人は悪い人じゃない。


危害は加えてこないだろうから、安心して頼ろう。


頼れる人がいなかったら私は野垂れ死んでしまう。


頼りたくはないけど、社長らしいし、ありがたく甘えさせていただくとするか。


「オートロックの解除のし方、教えてくれませんか?」
< 20 / 168 >

この作品をシェア

pagetop