性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。
谷さんは容赦なく私を1人取り残して帰ってしまった。


見上げれば首が痛くなるような高層マンション。


24階ってどのあたりなんだろう。


「いち、にぃ、さん、しぃ…」


…わかんない。


でもとりあえず、入ってみなきゃだよね。


今日からここが私の帰る場所なんだもん。


素敵な所だったらいいなぁ。


さっきまで憂鬱だったけど、なんだかんだワクワクしてきた。


そんな私にさっそく、第一関門、大きな壁。


目の前に数字を打つ台みたいなのがあって、その奥に自動ドアがある。


自動ドアなはずなのに、いくら近づいても反応してくれない。


「…?どうすればいいんだろう」


きっと、この台を使うんだよね?


番号を押せばいいのかな。


「2403…」


Enterの代わりに呼出というボタンがあったから、そこをポチッと押してみる。


……。

反応なし。


「えーー、どうしたらいいんだろう」
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