性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。
ここは一旦、彼の言う事を聞こう。


で、あとでどういう魂胆なのか聞き出してやる。


昨日の今日でこんなに態度が変わるはずないもん。


絶対何か裏があるに決まってる。


真新しい制服に手を通し、テキトーにヘアセットをし、メイクもパパッと終わらせる。


朝ごはんは着いてから食べればいいか。


昨日スマホと一緒に谷さんが届けてくれた菓子パンをカバンに突っ込み、玄関の扉を開ける。


東雲碧は廊下の壁にもたれ、長い腕腕を組みながらスマホを触っていた。


昨日はウェーブがかっていた髪が、今日はサラサラのストレート。


目の下まである前髪を鬱陶しそうに振り払っては戻ってきて、を繰り返している。


…モデルみたいだな。


まぁ雑誌の表紙も何度も飾ってるし、あながち間違いではないか。


どの瞬間を切り取っても表紙になりそうな美しさが彼にはある。
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