性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。
が、それは全部見た目だけの話だ。


「どういう風の吹き回し?」


「なにが。てかおめー、おせぇよ。何分待たすんだよ」


「待ってくれなんて頼んでないわよ」


あなたが勝手に待ってたんでしょうが。


私は二度寝するつもりだったのに!


「家の鍵。開けっ放しだと思うけど、いーの?」


わざわざ、エレベーターの前に着いてから言う東雲碧は本当に性根が腐っているらしい。


忘れてた私が悪いのはもちろんなんだけど、気づいてて言わないのは性格悪くない??


「閉めてくるからちょっと待って。まぁ別に待たなくてもいいけど!待ってほしくもないけど!」


ダッシュで部屋に戻り、鍵を閉める。


いつも鍵を閉めてから出掛けることは無かったから気づかなかったけど、本来これが普通の生活か。


そういえば電気も消してない。


一人暮らしだとそれも自分でしなきゃいけないんだ。


ほんと、今まで甘やかされて育ってきたんだなぁ私…。
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