性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。
まじでこの男性格悪い。


ほんと、なんなのよ。


「お嬢様がそんな汚い言葉使うなよ」


「…うるさ。別にお嬢様じゃないし」


「はいはい。んじゃ、ちゃんと入学式行けよ」


性悪クソ野郎はそう言いながら1万円札を置いて降りてしまった。


「ちょっと!別にタクシー代は―」


文句を遮るようにドアが閉まり、タクシーが再出発する。


「しかもこんなにいらないでしょ…」


ほんとあの男は勝手だ。


なんなのよ、まったく。


…むかつく。


車内に残されたアイツの甘い香りがうざったい。


よりにもよって、学校までアイツと一緒なんてホントについてない。


パパのことまで嫌いになっちゃいそう。


なんでパパは東雲碧の隣に部屋を借りたんだろう。


東雲碧のスキャンダルなんて、事務所に大打撃なのに。
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