性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。
「今日は3年は登校日じゃないからよかったけど、明日からはここには来んなよ」


「わかった。ご親切にどうも!」


なんだかんだ東雲碧に助けられてるのが悔しい。
  

「1年の教室は2階。向こうの階段を降りたら近い」


「……ふーん。ありがとう」


東雲碧に頼らざるを得ない自分にムカついてきた。


この人に助けてもらわなくても生きていけるように努力しなきゃ。


ずっとこの先こんな悔しい思いをするのはごめんだ。


「それと。今日俺が来てたことは誰にも言うなよ」


「え、なんで?」


東雲碧が清蘭(せいらん)生なのは同じ学校に通う清蘭生なら分かってることじゃないの?


「ダルいから。外部の1年生なんて特にダルい」


「……アイドルとしてどうなの、それ」


この学校にも東雲碧ファンはたくさんいるだろうし、その子たちが聞いたらショックを受ける。


「アイドルなんか所詮虚像。プライベートでアイドル求められても迷惑なだけ」
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