性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。
「のんは人に興味なさすぎんのよ」


「そんなことないと思うけどなぁ…」


でも、思い返してみると誰かを好きになったこともなければ、カッコいいと思ったこともない。


好きな芸能人もいたことがない。


“好き”って感情に乏しいのかな。


「でも、急にどうしたの?今まで碧くんに興味なかったじゃん」


「あ、いやー…、べ、別に??あはは〜」


家が隣になったとか、今朝一緒に登校してきたとか、言えるわけがない。


東雲碧との関係は絶対に秘密。


誰にも言えない。


言ったら東雲碧にも迷惑かかっちゃうし。


…って、なんで私がアイツの心配してんだか。


「怪しい。もしかして、沼っちゃった!?」


「はっ!?それはない!!」


あんなヤツに沼ってたまるか!


好きになってたまるか!


冗談じゃない!


「なんでよー。碧くんカッコいいじゃん」


「顔はね?顔だけでしょ、あんな奴」
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