性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。
性格は腐ってんだから。


まじで。


「碧くんの何を知ってるのっ。碧くんはね、クレムン時代から必死に努力して今の地位に上り詰めた努力家なんだよ?」


「なに、クレムンって」


「CrescentMoon。碧くんのデュエット名」


あー。


そういえばネットにそんな言葉が書いてあったな。


「一ノ瀬愁斗だっけ、たしか」


「え、よく知ってるね。やっぱり碧くんのこと好きになったんでしょ!」


「マジでそれは違う!!」


それだけは永遠にない。 


アイツを好きになることは神に誓ってありえない。


もし好きになってしまったのなら切腹するわ。


「今日学校終わったら、映画行かない?碧くん主演の映画!」


「行かない。興味ない」


アイツを大画面で見たら目が腐る。


「ね、お願い。クレープ奢るから」


「え、まじ?」


「うん、まじ。生クリーム増幅、チョコチップ追加、全部オッケー」


クレープか東雲碧か。


クレープか…東雲碧か…。


クレープ…。


東雲碧…。


「よし、行こう。なんなら式サボって今から行こう」


そりゃクレープっしょ!


クレープのためなら多少目が腐ってもいいや。
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