性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。
本当に迷惑な野郎だよね、私。


「…うん。まぁもういいよ」


「怒ってる…よね…?」


無表情すぎて感情が読み取れない。


だけど、微かに口角が上がったような気がした。


気がしただけかもしれない。


「怒ってない。呆れてる」


「ですよね」


目も合わないし。


いよいよ本当に彼の逆鱗に触れてしまった。


「まーでも、気持ちだけ受け取っとく」


???


「なんの?」


「お前が本当に謝ろうとしてくれてたんだな、って」


……。


なん、なんか、意外かもしれない…。


「お前が言ってることは正論だと思う」


「え?」


「…ファンを大事にできない奴はアイドル失格。それは俺も思ってる」


…東雲碧…?


「なにも、私はそこまでは…」


アイドル失格とまでは言ってないのに。


急にどうしちゃったの?
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