性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。
「お前みたいな真っ直ぐな奴もいるんだなー、世の中」


ん…?


「なんかあった…?」


なんか、変だよ。


やけに素直な東雲碧は東雲碧じゃない。


「別に。ただソロデビュー当時のことを思い出しただけ」


「…そっか。あんまり聞かない方がいい?」


「好きにすれば。お前が俺に興味あるなら聞けばいいし、ないなら放っといたらいい」


「……一ノ瀬愁斗はなんで脱退させられたの?」


聞くなら今しかない気がする。


知りたい。


東雲碧のことを、もっと知りたい。


「…そんなの知るか。お前のパパに聞けよ」


…てことは、やっぱりパパが一ノ瀬愁斗を…。


「…まぁ、愁斗にも何か原因があったのかもしんねぇし、お前の親父が一概に悪いとは思ってないから」
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