性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。
チンッ


無事に24階まで到着。


かと思いきや、


「きゃ!?」


ガシッと腕を掴まれて、降りることは許されなかった。


男性が閉ボタンを連打し、エレベーターの重い扉がゆっくり閉まった。


「お前がストーカーか」


狭い密室空間で壁に押し付けられ、身動がとれない。


「警察行くか、今ここで二度と俺に近づかない
と約束するか、どっちにする?」


サングラスの奥から凍てつくような視線が投げかけられ、背筋がゾクッとする。


切れ長の目に長いまつげが覆い被さっていて、クールな瞳が見え隠れしている。


「なんとか言えよ」


強く握られた手首が痛む。


なに、この人。


圧倒的なオーラに怖気づきかけたけど、この人がしてることって普通に犯罪じゃない?


「ストーカーってなに?私知らないんだけど」


「は?」


キャップと金色の前髪で隠れているけど、クッキリと眉間にシワが寄るのがわかった。
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