性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。
東雲碧は、じーっと一点を見つめながらカレーを拭い続ける。


その表情は、いくつもの苦難と闘ってきた戦士のような顔だ。


「…パパはさ、東雲碧視点から見たらどう見えてるの?」


「んー。それはお前には言えねぇな」


「……そっか」


娘だもんね。


悪口は言えないか。


てことは、良く思ってないのかな…。


「じょーだん。あの人は俺の恩人」


……どっちだろう。


「相方を干した張本人なのに?」


「…勘違いすんな。いくら社長が権力者だとしても、たった一人の人間が大人気のアイドルを干せるほどの力はない。愁斗にも悪いところはあった」


…ふーん…。


「じゃあ、一ノ瀬愁斗のことはどう思ってるの?」


「……なに。お前、そんなに俺のこと興味あんの?」


「え」
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