性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。
「は?このカレーに顔面押し付けんぞ」


「うわー、暴力男!こわ!」


「黙れブス」


やっぱりいざ言われるとムカつくわ!


今度はその顔面にカレーぶん投げてやろうか。


「……あーあ。疲れた。お前のせいで足腰が痛いわ。腹も減ったし。ストレスも溜まったし。あーあ、災難災難」


まだ汚れがとれていないのに立ち上がって腰を反らす。


「ちょっと、最後まで手伝ってよ」


「は?調子乗んな」


「…はい。すみません」


さすがに甘えすぎたか。


だいぶカレーは拭えたし、あとは黄色い汚れを擦り続けるだけ。


一人で頑張ろ。


「……お前、意外と根はいい奴なんだな」


「…え……?」


思わず頭を上げ目を合わせると、パッと逸らされてしまった。


…聞き間違い?


なんか、今、褒められた気がしたんだけど…。
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