性悪毒舌アイドルと甘すぎる日常を。
彼のために

「東雲碧ー。マネージャーさんから電話かかってきたよ!」


翌朝、8時を過ぎた頃に東雲碧のスマホに着信があった。


まだ深い眠りについている彼の代わりに電話に出ると、8時半頃迎えに行くから用意してほしいとのことだった。


「んん…」


うっすらと目が開き、キョロキョロと瞳が動く。


「おはよう。体調は?」


「……ふらふらする」


「そっか…。熱計れる?」


ゆっくり身体を起こした東雲碧に体温計を渡す。


「…一晩中いた?」


「ん?いたよ。めっちゃ魘されてたから」


「………ありがと」


…え?


聞き間違い?


今、あの東雲碧にお礼言われた??


「ねぇ、もう一回言って!」


幻聴じゃないよね!?


「言わない」


「えー、なんでよ!」


貴重なのに!!


これから先この人から感謝されることなんて二度とないかもしれないのに!


「38度7分。仕事行ってくる」


「いやいやいや、そんな平熱だったみたいなノリで行かないで!高熱だから!」
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