余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
それならできるかもしれないと思ったのだ。


だから萌と一緒にいる決断をした。


なにもかも、わかった上で……。


それなのにこのざまはなんだ。


萌に告白されただけでこんなに怖くなって、こんなに震えてしまうなんて。


「大丈夫。大丈夫」


未だに震え続ける体を抱きしめながら、大樹はいつまでもそう呟いていたのだった。
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