余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
それに関して萌はなにも言ってきてくれなくて、それが希の心の中に大きな壁を作ることにもつながっていた。


私達、親友じゃなかったの?


どうして隠し事をするの?


萌のことを見て見ぬ振りしながらも、心の中ではずっとそんなふうに思っていたのだ。


それに、萌が美術室で倒れたのを発見したとき、希は本当はすごく動揺していた。


どうすればいいかわからなくなり、でも結果的にはそのまま放置することになってしまった。


その結果、今萌の病気が悪化しているのだとしたら?


考えるだけで体の芯が冷えていくのを感じた。
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