余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
☆☆☆

「わぁ~! 我が家だぁ!」


父親の車から出て家に入った萌は大きな歓声を上げた。


今度の入院は様々な検査を受けたため、少し長い入院になってしまった。


そのため家に戻ってきた瞬間懐かしさがこみ上げてきた。


リビングのソファに体を投げ出して家庭特有の香りを思いっきり吸い込んだ。


病室に漂っている点滴の匂いとは全然違う、暖かくて自分にもっとも馴染んでいる匂い。


「学校はいつから行くの?」


車から荷物を運びながら母親が聞いた。


「もちろん、明日から行くよ!」

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