余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
「さぁ、大樹くんも沢山食べてね」


いつも萌によりそって病院へ来てくれていた大樹はすでに両親とも打ち解けていて、信用されている。



目の前に出された豪華な料理たちに大樹は「どれから食べようか」と悩んでいる。


「どれからでもいいよ。だってお母さんの料理は世界一おいしいから」


「あら、そんなこと言ってくれるなんて嬉しい」


試しに食べたサンドイッチは本当に美味しくて大樹は目を見開いた。


「ね、言った通り美味しいでしょう?」


「本当だね。こんな料理を毎日食べられるなんて羨ましいよ」


次々料理へ手の伸ばしながら言った言葉に萌が少し顔を赤らめた。


「私も、料理は得意なんだよ?」


「へぇ、そうなんだ?」


「だって……将来の夢はお嫁さんだから」


テレた様子でそう言う萌に大樹は食べる手を止めた。
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