余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
「え? どういうこと?」


怒った声色になる希に萌はますますわからなくなる。


どうしてここで大樹のことがでてくるのかもわからない。


「私はずっと大樹のことが好きだったの! だから萌に取られたと思っちゃって……」


そこまで言って声が小さくなり、最後には消えてしまった。


希は顔を真っ赤にしてうつむいている。


「そ、そうだったんだ!?」


初めて聞いた希の気持ちに萌は素直に驚いていた。


「やっぱり、全然気がついてなかったんでしょ」


「だって希、そんな素振り全然してなかったじゃん」
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