余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
「詳しいことは聞いてないけど、あまり無理できないんでしょう?」


その言葉に萌は内心ホッとしていた。


まさか余命のことまで伝えられたのではないか。


そのため希が謝罪してきたのではないかと考えたのだ。


けれど、さすがにそこまでではなかったようで安心した。


「そうだね。今までよりももっとみんなに迷惑かけるかもしれない」


「そんなの、こっちは気にしない。っていうか、萌にやったこと、みんな反省してるし」


今までクラス全員で無視してきたことを言っているのだろう。


希はうつむきかげんに呟いた。


「それはもう大丈夫だよ。いつもどおり学校に来ることができて嬉しい」
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