余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
と、希がスマホを確認して言った。


さっきから頻繁にスマホを見ていたと思っていたら、誰かと連絡を取り合っていたらしい。


「誰?」


萌はオレンジジュースを片手に希を見つめる。


「この人だよ。入って!」


教室のドアへ向けて希が声をかける。


教室へ入ってきたのは大樹だった。


大樹は部活の途中で抜け出してきたようで、体操着姿のままだし額に汗が滲んでいる。


「おい、急に呼び出してなんだよ」


希へ文句をいいながら教室内へ入ってきた大樹は、教室の様子になにか気がついたように萌を見た。

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