余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
「みんなが私の退院祝いをしてくれているの」


大樹にそう伝えるだけで涙が出てきそうだった。


萌のことを一番心配して、クラスが違うのに毎日休憩時間になると教室にきてくれていた大樹。


そのことを思い出したのだ。


「私が呼んだの」


希はそう言い、大樹の背中を押して萌の隣に移動させた。


クラスメートたちはふたりを羨ましそうに見つめている。
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