余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
真夏が近くなっているようで、歩道を歩いているだけで肌がジリジリとやけてくるようだ。
大樹は萌に日陰を歩かせながら話を聞いた。
「不思議って?」
「今日もそうだったんだけど、大樹とキスをすると体が元気になる気がするの」
嬉しそうに、少しテレたように言う萌に大樹の心臓はドキッと跳ねる。
「好きな相手とのキスだから、それだけで元気になるんじゃないか?」
内心焦りを感じながらも、どうにか悟られないように会話を続ける。
「そうかもしれないね。でも、気持ちだけじゃなくて本当に体がよくなる気がするの。数値だって、ずっと落ち着いてるしさ」
「病は気からって言うし、そういうこともあるかもしれないよな」
「だったらすごいよね。私、大樹のキスで病気が治るかもしれないんだから」
跳ねるように歩く萌は末期がんの患者とは思えないほどだ。
そこには苦しみも悲しみも存在していない。
病気であることが夢みたいだ。
「そんなことより、明日は学校休みだろ。萌はなにするんだ?」
大樹は萌に日陰を歩かせながら話を聞いた。
「不思議って?」
「今日もそうだったんだけど、大樹とキスをすると体が元気になる気がするの」
嬉しそうに、少しテレたように言う萌に大樹の心臓はドキッと跳ねる。
「好きな相手とのキスだから、それだけで元気になるんじゃないか?」
内心焦りを感じながらも、どうにか悟られないように会話を続ける。
「そうかもしれないね。でも、気持ちだけじゃなくて本当に体がよくなる気がするの。数値だって、ずっと落ち着いてるしさ」
「病は気からって言うし、そういうこともあるかもしれないよな」
「だったらすごいよね。私、大樹のキスで病気が治るかもしれないんだから」
跳ねるように歩く萌は末期がんの患者とは思えないほどだ。
そこには苦しみも悲しみも存在していない。
病気であることが夢みたいだ。
「そんなことより、明日は学校休みだろ。萌はなにするんだ?」