余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
初デート
「いい加減に寝なさいよ」


母親からそう言われても、萌はクローゼットの前から動くことができなかった。


明日は人生で初めてのデートだ。


絶対に心に残るものにしたい。


そのためにはまず自分の服装が気になった。


「ねぇお母さん、こっちのスカートとワンピース、どっちがいいと思う?」


「どっちも同じ青色でしょ。変わらないわよ」


「スカートとワンピースだよ? 同じなわけないじゃん! ちゃんと見てよ!」


「はいはい。それじゃワンピース」


「なにそれ、ちゃんと見てくれた!?」


萌は本気で悩んでいるのに母親には軽く返されるばかり。
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