余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
☆☆☆

目覚めは最悪だったが、初めてのデート当日になった大樹はいつもの笑顔で萌と合流した。


萌は髪の毛を編み込みにしていて青いワンピースを来ている。


いつもより気合を入れてきてくれたことがすぐにわかった。


「今日はどこに行く?」


「大樹が決めたところでいいよ」


少し照れながらそう答える萌は本当に可愛かった。


萌に初めて出会ったあの日から、大樹の心は萌に奪われっぱなしだった。


「じゃあ、少し歩いて買い物に行こうか」


「うん。いいね」


特別ほしいものはなかったのだけれど、好きな人と並んでウィンドーショッピングをするのは、それだけで十分に楽しい。
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