余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
異常なし
初デートから数日後、この日は萌の検査の日だった。


朝からいつもの病院へやってきて、両親と共に検査結果を待っていた。


「福永さん、こちらへどうぞ」


白衣を着た担当医が萌たちを個室へと誘導する。


その個室は萌が末期がんであることを宣告された部屋で、入る瞬間少し躊躇してしまった。


でもきっと大丈夫だ。


最近とても調子がいいし、毎日学校にだって行っている。


萌は自分にそういい聞かせて席に座った。


萌の隣には両親がいる。


「萌さんの検査結果なんですが……驚くほどに順調です」


医師の言葉に両親が同時に大きく息を吐き出した。


「この調子だとまだ学校に行くこともできると思います」


「やった!」

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