余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
萌と希は人の少ない廊下の奥へと移動してきていた。


「気を悪くしないでほしいんだけどね」


希はそう前置きをして、自分が見てしまったことをそのまま萌に伝えた。


「実は昨日、大樹が他の女の子とキスしているところを見ちゃったの」



「え……?」


萌は希からの告白にまばたきを繰り返した。


「なに言ってるの?」


首をかしげ、眉間にシワを寄せる萌。


「昨日駅の近くの公園で大樹を見かけたの。その時に女の子も一緒にいたから萌かなって思ったんだけど、違う子だった」


確かに、昨日萌は駅の周辺には行っていない。


学校が終わってすぐに帰宅しただけだった。

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