余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
☆☆☆

「ふたりともペンケースおそろいにしたの? 可愛い~!」


休憩時間中クラスの女子に声をかけられて萌と希は互いのペンケースを見せた。


「消しゴムとかもお揃いじゃん! ふたりって本当に仲いいよねぇ」


「えへへ、いいでしょ」


希と仲がいいと言われると嬉しくなって萌は微笑んだ。


「最近はそうでもないけどねぇ」


希のその言葉に萌は「え?」と、視線を向ける。


しかし希はいつもの笑顔を浮かべていて、きっと冗談で言ったのだとわかった。


「変なこというとビックリするでしょ?」


希の肩を叩きながらもう片方の手でスマホ画面を確認する。


さっき大樹からメッセージが届いたところだったのだ。


《大樹:外で授業できないから、梅雨早くあけてくれぇ!》


その文章の下にはな泣き顔のスタンプが押されている。


大樹も今こんな表情をしているのかな?


と思うとつい嬉しくなってプッと吹き出してしまう。


「なにかおもしろいことでもあったの?」
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